Jacob Clement
Jacob Clement
Huelgas Ensemble
(deutsche harmonia mundi: 88697780692)
クレメンス・ノン・パパと呼ばれていた。最近ではヤコブ・クレメンスと呼ばれることが多い。クレメント、というのは聞いたことがないが、どこかで彼はそう呼ばれていたのだろうか。真相はわからないけど、呼び方が多いことが勲章になる時代だ。
出典の異なるミサの楽章を盛大にばら撒く。ミサは演奏するけど統一したものとは認識させない、というやり方はウェルガス・アンサンブルの得意とするところで、あくまでミサ楽章を単体として聴かせることに情熱を注いでいる。今回は順番までランダムで、その破壊力は圧倒的。でも、シャンソンやオランダ歌曲あたりはさりげなくまとめているのがおもしろい。
冒頭のグローリアに続くシャンソンのスムーズな立ち上がりを聴くと、本領はこっちなんだと言われなくてもわかってしまうような気分になる。かと思えばオランダ歌曲のもの珍しさを前にして煙に巻かれたいような願望を持ってみたり。なんだか変な気分にさせられてしまうのがクレメンス・ノン・パパでありウェルガス・アンサンブル。そして、ミサ楽章の重量感のある演奏を聴かされては、ミサをまとめて演奏してくれればいいのに、とやっぱり思ってしまう。これもウェルガス・アンサンブル、である。
Missa à la fontaine du prez. Gloria
Jaquin Jaquet
Plorir gemir et larmoyer my fault
Jerusalem surge
Missa Spes Salutis. Agnus Dei
Als ick riep met verlanghen
Welsalich zyn se hier op aerden
Hoort myn ghebet o Heere
Fremuit spiritu Jesus
Missa Gaude lux Donatiane. Kyrie
Adieu mon esperance
Je prends en gré & Mourir m’y fault
Qui concolabatur me
Missa Caro mea. Sanctus
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