William Byrd: The Great Service

2012.11.15 | renaissance |

Great Service

William Byrd: The Great Service
The Cardinall’s Musick
(hyperion: CDA67937)

ASVからハイペリオンに移って「教会音楽全集」の計画を「ラテン語教会音楽全集」に縮小して完結したカーディナルス・ミュージックのバード・エディション。この「ラテン語」への計画縮小にガッカリさせられたのは記憶に新しい。

そんな彼らがバードのグレート・サーヴィスを突然リリースした。しかもジャケットにサラリとThe Cardinall’s Musick Byrd Editionの文字。最終巻の第13巻で2010年のグラモフォン・レコード・オブ・ザ・イヤーを受賞して、経営危機のハイペリオンが考えを改めたのかよくわからないけど、このリリースは大歓迎。巻数が書いてないのが残念だけど、もしかしたら全集になるかも、と妄想が膨らむ。

このグレート・サーヴィスのカーディナルスは普段の彼らとはひと味違う。少年のようなソプラノを擁して、全体の声の均質度が高まったアンサンブル。特別な歌い手を連れてきたのではなく、この録音のためにスタイルをシフトしたみたい。ルネサンス・ポリフォニーを歌うグループというよりも、オルガン伴奏との相性もよいイギリス色が濃厚な聖歌隊の仕上がりだ。BBC RADIO3などでよく聴く英国国教会の雰囲気そのもの。こういうグループじゃないと、グレート・サーヴィスはなかなか演奏できない。

Byrd: The Great Service
– Venite
– Te Deum
– Benedictus
– Kyrie
– Creed
– Magnificat
– Nunc Dimittis
Byrd: Praise Our Lord, All Ye Gentiles
Byrd: Unto The Hills Mine Eyes I Lift
Byrd: Make Ye Joy To God All The Earth
Byrd: Turn Our Captivity, O Lord
Byrd: This Day Christ Was Born

The Cardinall’s Musick:
Carys Lane, Cecilia Osmond (S)
Patrick Craig, David Gould, David Martin, Caroline Trevor (A)
William Balkwill, Simon Wall (T)
Robert Evans, Robert Macdonald (B)
Robert Quinney (organ)
Andrew Carwood (dir.)

 

Great Service

William Byrd: The Great Service
The Choir of Westminster Abbey
(hyperion: CDA67533)

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