Himmelskönig, sei willkommen BWV182

2012.04.01 | baroque |

Bach - Aus der Tiefe

Bach: Aus der Tieffen
Ricercar Consort
(Mirare: MIR057)

棕櫚の主日。バッハがこの主日のために書いたカンタータは、第182番「天の王よ、あなたを歓迎します」の1曲だけだから、今年もこのカンタータを聴くことになる。

教会暦の関係で、昨年聴いたのは4月の中旬だった。ライフラインが回復せず、落ち着きを取り戻せなかった時期。だから、エルサレムがイエスを迎え入れる場面を描くマタイによる福音書のエピソードをテクストに持つこのカンタータをうまく迎え入れることができなかった。

カンタータのピークがアルトのアリアにあることに変わりはない。手元にあったCDのクレジットを眺めながら、カルロス・メーナはどんな歌を歌うのだったかと思った。すこし重量感のある静かな輝く彼の声はあくまでシリアスで、信仰への決意を求めるテクストに芯を与える。

そういえば、しばらく死のイメージを重ねずにはいられなかったリコーダーの音色をリコーダーとして受け止めることができるようになった。きっとどこかで転換期みたいなものがあったんだろう。

エルサレムに迎えられるイエスは子ろばに乗ってやってくる。荷物を運ぶろばの子。その歩みは相当ゆっくりしたものだと想像する。大事なことはそんな風にゆっくりと進むのだろう。ゆっくり歩いて行こうと思う。

1. Sinfonia
2. Coro
3. Recitativo (B)
4. Aria (B)
5. Aria (A)
6. Aria (T)
7. Choral
8. Coro

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