Brahms: Werke für Chor und Orchester
Brahms: Werke für Chor und Orchester
Collegium Vocale Gent, Orchestre des Champs-Elysées
(Phi: LPH003)
葉が色づき、落ちて地面を覆い、払われることなく積もっていく。ブラームスには深まる時間のイメージがある。ある者は秋の音楽と言い、またある者は冬の音楽と言う。今年もブラームスの季節がやってきた。
オーケストラと合唱のための作品を集めたプログラム。中間部に2つのモテット作品74の第1曲「何故悩む者に光を与えられたのか」を挿む全5曲。「運命の歌」「アルト・ラプソディ」「埋葬の歌」「運命の女神たちの歌」と重量級が並ぶ。「埋葬の歌」などは決して長大ではないけど厚い。最初の「運命の歌」から先になかなか進めなかった。「安らぎの場を得ることなく悩み多く生き、行き先も知らずただ落ちていく。」前奏と後奏は天国的だけど、天国は自分からはるかに遠く、憧れをもって見上げる対象でしかない。甘美と残酷が同居するロマンの濃さは容易に消化しきれない。
ヘレウェーへは、ロマン派の歌ものの中では特にブラームスと相性がいいと思う。無駄を削ぎ落とした薄いハーモニーで聴き手に自在な感覚を植えつけて、歌詞を超えたところで常に何かが語られていることを感じさせる。その何かがあくまでも「何か」であることに満足する。
Brahms: Schicksalslied op.54
Brahms: Alt-Rhapsodie op.53
Brahms: Warum Ist Das Licht Gegeben op.74-1
Brahms: Begrabnisgesang op.13
Brahms: Gesang Der Parzen op.89
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