Ich geh’und suche mit Verlangen BWV49

2011.11.06 | baroque |

Bach, J.S./Bach, J.C.: Cantata

Desire
Il Gardellino
(passacaille: 956)

バッハが三位一体節後第20主日のためのカンタータは全部で3曲ある。そのうち第49番「私は行ってあなたを求める」は、ソプラノとバスによるカンタータ。福音書の「王の婚宴のたとえ」を下敷きに「宗教的ディアローグ」という霊的な対話の形式による歌詞をもつ。

この「宗教的ディアローグというのは、バッハの時代に限らず長い伝統があるらしくて、ロマン派の音楽でも影響を受けてそうな歌詞に出くわすこともある。これまでにも何度か「霊的な対話」なんてサラッと書いて流してきたけど、実はあまりなじめていない。例えば、Seele! という呼びかけをどう訳したらいいのか、いまだに迷う。このカンタータは、イエス（バス）と「魂」（ソプラノ）の霊的な愛の交流、という、わかりやすいつくりになっているから、まだ救われる。

前にも書いたけど、イル・ガルデリーノのCDは、冒頭のシンフォニアでの目の覚めるような鮮烈なオルガンの音色が強く印象に残る。清楚なソプラノのヴェイナンツもバスのテルモントもこの鮮烈な音色に連なる声の持ち主。みんなシャキッとしていて相性は抜群。歌詞の内容のとおり親密すぎる雰囲気だ。ある意味BWV202などよりも結婚カンタータらしい。

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