In Memoriam – Machaut: Messe Notre Dame

2011.09.06 | medieval |

In Memoriam: Messe Notre Dame

In Memoriam – Guillaume de Machaut: Messe Notre Dame
Musica Nova
(æon: AECD1093)

アルス･ノヴァを自分のレパートリーと考えているグループなら、いつかは必ず録音するに違いないマショーのノートルダム・ミサ。とうとうあのムジカ･ノヴァも録音してしまった。

ヴィトリで始まり、イヴレア写本とかシャンティイ写本とかアルス･スブティリオールあたりで前後を固めて、ノートルダム・ミサはほとんど単体の作品として中央に鎮座する。キリエにはファエンツァ写本に収められているというオルガン変奏がすこしだけ入るけど、基本的には一体感のあるミサ6楽章が聴けるという構成。

最近のマショー演奏はマイルド化がかなり進んでいて、その方向性を決定付けたのが彼らのモテトゥス全集。言わば本家本元だけど、マショーがマイルドでスムーズになった分だけ、存在感が薄れてしまう。まとめて聴くと周囲の作品の印象がやや強い。研究の末のプログラミングだと思うとすこし残念だ。ノートルダム･ミサにゴツゴツした芸風の演奏を求める聴き手にはまったく不向きだけど、マイルドなマショーを好む聴き手なら、このマショーはクセになる味かもしれない。自分もとりあえずマショーだけくりかえし聴いている。

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