Valentin Silvestrov: Sacred Works | Kiev Chamber Choir
Valentin Silvestrov: Sacred Works
Kiev Chamber Choir
(ECM New Series 2117)
キエフ出身の作曲家、ヴァレンティン・シルヴェストロフ(1937-)の宗教曲集。ECMからリリースされている彼の作品は結構多い。いかにもECMといった風だけど、プロデューサーにアイヒャーの名前はなく、Kiev Choir Productionsが制作したものをECMの名義でリリースしているような記載がある。これは何気に新展開。
ウィキペディア情報によると、シルヴェストロフはこの年代の作曲家によくありそうなパターンで初期は「前衛」的な作品を書いて評価され、「前衛」が退潮すると隠遁、そして転向して再登場。長い間合唱作品は書かず、指揮者のミコラ・ゴブディッチの勧めもあったのかロシア正教の典礼音楽の様式を学びその成果を作品にするようになったのはここ10数年くらいのことらしい。転向後自分の音楽を「既存の音楽への反応であり、反響」と発言しているそうだが、彼の合唱曲がなにやら五里霧中なのはそういうことなのだろうか。コアな部分を見出しがたく、ただひたすら残響を聴いているのではないかと錯覚してしまいそうな音楽。
演奏はミコラ・ゴブディッチ指揮キエフ室内合唱団。ゴブディッチは上にも書いたように今回のCDに収録された2005年から2006年にかけての作品群の作曲に関わっていたらしい。キエフ、という街の名前にはなぜか豪放磊落のイメージがあったのだが、この合唱団の演奏はそんなイメージをつゆほども感じさせず静謐で繊細。そういえば静謐って便利だけどなんだか安直な言葉だ。
Liturgical Chants (2005)
- Litany
- 4 Spiritual Songs
- Christmas Song
- Dithyrambic Song
- Cherubic Song
- Alleluia
- Bless the Lord, o my soul
- O Holy God
- The Creed
- Gloria
- Cherubic Hymn
- The Beatitudes
- Ave Maria
2 Spiritual Songs (2006)
- Alleluia
- Ave Maria
2 Spiritual Chants (2006)
- A Mercy of Peace
- To Thee we Sing
2 Psalms of David (2006)
- O Lord, rebuke me not (Psalm 37)
- O Praise God in His Sanctuary
Diptych (1995)
- The Lord’s Prayer
- Testament
Alleluia (2006)
- Evening
- Morning
- Night
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