Bleib bei uns, denn es will Abend werden BWV6

2014.04.21 | baroque |

J.S.Bach: Easter Cantatas
The Monteverdi Choir / English Baroque Soloists
(Archiv: 463 580-2)

2人が、「一緒に留まってください。そろそろ夕方になりますし、もう日も傾いていますから」と言って、無理にひきとめたので、イエスはともに泊まるため家に入られた。（ルカによる福音書第24章第29節）

復活祭第2日。一昨年聴いたカンタータ第6番「一緒に留まってください」がまた巡ってきた。あの時書いたことを書いておこう。自分の考えはやっぱり一歩も前進していない。

エマオのキリストの場面を踏まえて描かれる。2人の弟子が、エルサレムからエマオへ向かう途中で復活したイエスと会う。2人の目は遮られていて、一緒に歩いているのがイエスだとわからなかった。イエスがパンをとり、賛美の祈りを唱え、パンを裂いて2人に渡すと、2人の目は開き、イエスだと分かったがその姿は見えなくなった。

自分に気がつかない2人に向かってイエスは「心が鈍い者たちよ」と呼びかける。これは2人を許容した言い方だと思う。一緒に宿泊しようとひきとめた時点で2人は何かを感じとっていた。

姿が見えなくなってから2人は語り合う。「道で話しておられるとき、また聖書を説明してくださったとき、わたしたちの心は燃えていたではないか。」姿は見えなくなり、言葉を巡る記憶が残る。カンタータは人々の正しくない行いに対し燭台を倒して暗闇を広げたイエスに「あなたの言葉で明るく照らしてください」と願う。言葉が明るく照らすのだ。

磔刑後の光景と重なり合う夕闇迫る不安から、イエスであったことを知る喜び、正しくない行いへの戒めと信仰へと、ストーリーの片鱗が見えるのは、冒頭の合唱のテクストがルカによる福音書の聖句から採られていることと無縁ではない。決して復活の喜びだけではない内容が穏やかな曲調によって進められていく。

ガーディナーのカンタータ巡礼プロジェクトの初期の録音がアルヒーフに遺されている。微妙な時期の、微妙な演奏だ。後のレギュラーとなるソリスト陣の姿はまだ見えない。すぐ後にガーディナーはプロジェクトを取り戻す。おそらくは心が鈍い者たちの手から。

Bernarda Fink (A)
Steve Davisilim (T)
Julian Clarkson (B)

Recorded at St. John’s, London, England. April 1999.

1. Coro: Bleib bei uns, denn es will Abend werden
2. Aria (A): Hochgelobter Gottessohn
3. Choral (S): Ach bleib bei uns, Herr Jesu Christ
4. Recitativo (B): Es hat die Dunkelheit
5. Aria (T): Jesu, lass uns auf dich sehen
6. Choral: Beweis dein Macht, Herr Jesu Christ

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