Wer da gläubet und getauft wird BWV37
Bach Cantatas 28 – City of London
The Monteverdi Choir / English Baroque Soloists
(Soli Deo Gloria 185)
「信じて洗礼を受ける者は救われる。」イエスは昇天する前に弟子たちに全世界に向けて宣教するよう伝えた後にこう言い残す。
バッハが1724年5月に初演したカンタータ第37番「信じて洗礼を受ける者は」は昇天祭のためのカンタータだけど、昇天の場面は扱わず洗礼や信仰について歌うという、捻りの効いた内容になっている。
カンタータの構成は前週までのバスのアリア（アリオーソ）で始まるパターンから離れて合唱で始まる。最後に言い残したイエスの言葉をバスではなく合唱に歌わせるのは、昇天前のイエスに特別な意味を持たせたかったからだろうか。複雑で濃密なモティーフで早くも腹が満たされる。テノールのアリアでは一転してシンプルなヴァイオリンとのかけあいが美しい。第3曲のデュエットで通奏低音のみになった編成が終曲のコラールに向けて少しずつ楽器が増えて、最後はオーボエ・ダモーレ2本と弦楽と通奏低音。その間によき行いではなく信仰が先に立つ「ルター派的な教義」というものが表明される。あからさまに盛り上げるわけではないけど、楽器が増えていくにつれて、教義への支持が高められているように聞こえる。
ガーディナーのカンタータ巡礼シリーズが再開された。自主レーベルにおけるこのシリーズの原点であるシティ・オブ・ロンドンでの録音は、ソリストにフレッシュな若手が並んだ。そのせいか、ヘンシェルが妙に大御所然としている。モンテヴェルディ合唱団の繊細さに驚かされることが多くなってきた。どうやら聴き損なっていたらしい。
Lenneke Ruiten (S)
Margaret Bragle (A)
Andrew Tortise (T)
Dietrich Henschel (B)
1. Coro: Wer da gläubet und getauft wird
2. Aria (T): Der Glaube ist das Pfand der Liebe
3. Choral Duetto (S,A): Herr Gott Vater, mein starker Held!
4. Recitativo (B): Ihr Sterblichen, verlanget ihr, mit mir
5. Aria (B): Der Glaube schafft der Seele Flügel
6. Choral: Den Glauben mir verleihe
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