Falsche Welt, dir trau ich nicht! BWV52
J.S.Bach: Cantatas Vol.38
Bach Collegium Japan
(BIS: BIS-SACD-1631)
「皇帝に税金を納めるのは律法に適っているでしょうか。」「納めるお金を見せなさい。これはだれの肖像と銘か。」「皇帝のものです。」「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい。」
三位一体節後第23主日。昨年は第22主日までだったので、この主日は今回初めて迎える。お題は「皇帝への税金」で、普段は敵対するファイサイ派とヘロデ派が手を組んで、どちらを選んでもややこしいことになる二択問題をイエスに示す。こういうときはどちらかを選ぶようなことをしないのがコツ。イエスも正面から答えることをせず、どちらでもなくどちらでもありそうな答えを返す。
カンタータ第52番「偽りの世界よ、わたしはあなたに頼りません」は、「皇帝のもの」と「神のもの」を対比する。ブランデンブルク協奏曲第1番で始まる第1曲のシンフォニアに続く第2曲のレツィタティーフと第3曲のアリアで皇帝のものである「偽りの世界」の告発と決別を宣言し、第4曲のレツィタティーフと第5曲のアリアで神のものである「誠実な世界」に信頼を寄せる。
そのすべてをソプラノが担当する。終曲こそコラール合唱だけど、一般にはほとんどソプラノのためのカンタータとして知られる作品。だからソリストが企画もので録音してそうだけど、意外にも録音は少ない。サンプソンは前後半のコントラストが効いた歌いぶり。BCJの弦のキレ味が際立つ。
Carolyn Sampson (S)
1. Sinfonia
2. Recitativo (S): Falsche Welt, dir trau ich nicht!
3. Aria (S): Immerhin, immerhin,
4. Recitativo (S): Gott ist getreu!
5. Aria (S): Ich halt es mit dem lieben Gott
6. Choral: In dich hab ich gehoffet, Herr
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