Willaert: Vespro della Beata Virgine
Willaert: Vespro della Beata Virgine
Capilla Flamenca
(Ricercar: RIC325)
カピーリャ・フラメンカが新しい領域に足を踏み入れた。ヴィラールトの聖母マリアの晩課。晩課の音楽といえばモンテヴェルディが有名だけど、今回のヴィラールト作品はモンテヴェルディから遡ること60年、1550年頃に出版されたものであり、ヴェネツィア楽派の複合唱様式の先駆的存在である。
出版業者アントニオ・ガルダーノによって出版された2つの詩篇曲集に収録されているこの晩課の音楽には、ジャケ・ド・マントヴァとの共同作業によるものもある。第1コーラスをジャケが、第2コーラスをヴィラールトが作曲するといった具合に、両者には密接な関係があったらしい。
終始無伴奏の詩篇曲は、モンテヴェルディの作品と比較すれば淡白かもしれないけど、感情の起伏を伝える闊達なポリフォニーで、フランドルの聴き手を安心させるに十分な作品だと思う。もちろん、闊達と思わせるのはカピーリャの演奏だからかもしれない。最大8声部で構成される詩篇曲を、カピーリャはメンバーを増強してカッチリした演奏で聴かせる。タイミングよく挿まれるオルガンのトッカータやリチェルカーレは吸い込まれそうに美しい。
chant – Deus in adiutorium
Padovano: Toccata del ottavo tono
Willaert: Benedicta es – Per illud ave a7
Willaert: Ricercar I a4
Jachet/Willaert: Dixit Dominus (Ps.109) a8
Willaert: Laudate pueri Dominum (Ps.112) a8
Willaert: Ricercar primo a3
Jachet/Willaert: Laetatus sum (Ps.121) a4
Jachet/Willaert: Nisi Dominus (Ps.126) a4
Willaert: Ricercar settimo a3
Willaert: Lauda Jerusalem (Ps.147) a8
chant/Willaert: Ave maris stella a6
Willaert: Ricercar X a4
chant/Willaert: Magnificat a4
chant/Willaert: Benedicamus in laude Jesu a4
Padovano: Toccata del terzo e quarto tono
Capilla flamenca:
Rob Cuppens, Marnix De Cat (C-T)
Jan Caals, Tore Denys, Govaart Haché, Laurens Wyns (T)
Lieven Termont (Br)
Dirk Snellings (B, dir.)
Joris Verdin (organ)
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