Ihr werdet weinen und heulen BWV103

2012.04.29 | baroque |

Cantatas 14

J.S.Bach Cantatas Vol.14
The Amsterdam Baroque Orchestra & Choir
(Challenge Classics: CC72214)

復活節後第3主日。福音書章句ではイエスが弟子たちに「悲しみは喜びに変わる」と告げる。復活後の場面だと思ったけどそうではなかった。イエスは弟子に向かってしばらく語り続け、その後外出してユダに裏切られ、逮捕される。

この日のためのカンタータ第103番「あなたたちは泣いて悲嘆にくれる」の歌詞はツィーグラーの作。この詩人は福音書章句の引用で始めるという特徴がある。「あなたたちは泣いて悲嘆にくれるが、世は喜ぶ。あなたたちは悲しむが、その悲しみは喜びに変わる。」

第1曲の合唱は、喜びに変わるとは思えぬほど悲しみが深い。バスが中間部で「あなたたちは悲しむ」Ihr aber werdet traurig sein.と繰り返し歌い、涙の谷を深く掘る。第3曲のアルトのアリアまではソプラニーノ・リコーダーがよく絡む。哀愁を誘うようで超然としているようでもある。喜びは第4曲のレツィタティーフの後半に訪れる。第5曲のテノールのアリアは勝利宣言だ。常套的といえば常套的。深く悲しませ悩ませて、喜びは最後にとっておかれる。しかし、このカンタータの喜びの音楽の中には悲しみの影があって、なんだかほろ苦い。

Bogna Bartosz (A)
Jörg Dürmüller (T)
Klaus Mertens (B)

1. Coro – Arioso (B) – Coro
2. Recitativo (T)
3. Aria (A)
4. Recitativo (A)
5. Aria (T)
6. Choral

tag:

prev:
next: