Signals from Heaven

Gregorianische gesänge

Gregorianische gesänge
Cappella Gregoriana Favorito Tokio
(COO Records: COO-033)

グレゴリオ聖歌を前にしてすこし構えてしまう、ということを否定しない。構える相手はグレゴリオ聖歌そのものではなく、取り巻いているものの方だと思う。その大きさに構える。

カペラ・グレゴリアーナ・ファヴォリートが歌うグレゴリオ聖歌を聴いていると、取り巻いているものが静かに後退する。聴いていれば幸せになれる、という予感に震える。指揮はヨッピヒ師。ライナーノートには指揮と書かれていて、指揮をする様子も見られるから、指揮者と言っていいのだろう。彼の指導を受け録音歴もある聖グレゴリオの家聖歌隊を母体とするファヴォリートは、彼とうまくコミュニケートできているのだろうと思わせる。

年間第6主日と年間第8主日のための2つのミサ曲を収録。リアルなカトリックの信徒ならまったく問題なく受け入れるだろう「年間」という言い回しにすこしついていけなかった。第2バチカン公会議以降のカトリックは主日をこう数えるらしい。そうだった。聖グレゴリオの家に集う彼らは、そういう意味においてもリアルな存在なのだった。

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