Ich elender Mensch, wer wird mich erlösen BWV48

2013.10.06 | baroque |

Bach Cantatas Vol.10: Potsdam/Wittenberg
The Monteverdi Choir / English Baroque Soloists
(Soli Deo Gloria 110)

三位一体節後第19主日のためのカンタータ第48番は、ローマ人への手紙の1節から始まる。「わたしはなんと惨めな人間なのでしょう。死に定められたこの体から、だれがわたしを救ってくれるでしょうか。」

この日の福音書章句は「中風の人をいやす」であり、イエスが病を癒す以上の罪を許す力を神から与えられていることを示している。ローマ人への手紙の問いかけに対する答えは、次の節ですぐ見つかるので、この問い自体がなにやら嘘っぽい。「わたしたちの主イエス・キリストを通して神に感謝いたします。このように、わたし自身は心では神の律法に仕えていますが、肉では罪の法則に仕えているのです。従って、今や、キリスト・イエスに結ばれている者は、罪に定められることはありません。」

カンタータは沈痛で重苦しい弦楽に始まる。心を真っ白にして聴かないと、この重苦しさもまた嘘っぽくなるだろう。ガーディナーの演奏には、表面的な透明感とは別に澱のようなものが溜まっていくイメージがあって、聴き手をすぐに答えに結びつけない。事態はそんなに単純じゃない、もうすこし複雑なんだ、という声が聞こえるような気がする。

William Towers (C-T)
James Gilchrist (T)

1. Coro: Ich elender Mensch, wer wird mich erlösen
2. Recitativo (A): O Schmerz, o Elend, so mich trifft
3. Choral: Solls ja so sein
4. Aria (A): Ach, lege das Sodom der sündlichen Glieder
5. Recitativo (T): Hier aber tut des Heilands Hand
6. Aria (T): Vergibt mir Jesus meine Sünden
7. Choral: Herr Jesu Christ, einiger Trost

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