Nimm von uns, Herr, du treuer Gott BWV101

2013.08.04 | baroque |

J.S.Bach Vol.31 [Import]

J.S.Bach: Cantatas Vol.31
Bach Collegium Japan
(BIS: BIS-SACD-1481)

1724年も三位一体節後第10主日ともなると、さすがに歌詞に関する事情は解消したものと言わなければならないだろうか。コラール・カンタータであるカンタータ第101番「私たちから取り去ってください、主よ、誠実な神よ」には、歌詞の点で苦労したような形跡は見えない。

重厚なコラール合唱で始まる。モテット様式のように重ねあわせることによって生じた重厚さだと思うけど、本当に重くて厚い。この主日の福音書章句「エルサレムに迎えられる」のイエスの嘆きに、ペストが流行した1584年に作曲されたコラールの歌詞を重ねた末に生まれた表現が溢れかえって息が詰まる。バッハ事典は先週の第94番の第3曲のコラールとレツィタティーフをトロープスとして説明していたけど、この第101番も第3曲から第5曲までは同じくトロープスなのかもしれない。あるいはこの3曲を含むカンタータ全体をトロープスと言ってもいいのかもしれない。終曲のコラールではコラールの旋律が明解な形で提示される。歌詞はモラーという人が書いたものだが、旋律はルターが書いたものを引用している。ヨハネ受難曲の前半部で演奏されるこのコラールは、どこか受難の緊張感を保っている。

Yukari Nonoshita (S)
Robin Blaze (C-T)
Gerd Türk (T)
Peter Kooy (B)

1. Coro: Nimm von uns, Herr, du treuer Gott
2. Aria (T): Handle nicht nach deinen Rechten
3. Choral / Recitativo (S): Ach! Herr Gott, durch die Treue dein
4. Choral / Aria (B): Warum willst du so zornig sein?
5. Choral / Recitativo (T): Die Sünd hat uns verderbet sehr
6. Aria Duetto (S,A): Gedenk an Jesu bittern Tod
7. Choral: Leit uns mit deiner rechten Hand

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