Wo Gott derr Herr nicht bei uns hält BWV178
J.S.Bach: Cantatas for the Complete Liturgical Year Vol.3
La Petite Bande
(Accent: ACC25303)
1724年の三位一体節後第8主日に演奏されたカンタータ第178番「主なる神が我々の側にいてくれなかったなら」は、前週に演奏されたカンタータ第107番が抱えていた事情を引き摺っているように見える。
コラール・カンタータだからコラールの味は濃いけど、このカンタータはさらにコラール素材や歌詞の頻度が高いことがうかがえる。そうなると、歌詞と福音書章句との関係は薄そうだけど、「敵」の存在を通して双方はつながっている。その「敵」は福音書の偽預言者だけど、コラールの作者であるヨーナスがルターの友人であったことを考えると、より具体的な目に見える存在を思い浮かべなければならないのかもしれない。
戦いの緊張感に包まれているこのカンタータには、まとまった人数で隊列を組んで立ち向かうような演奏がふさわしい気がするけど、暑い夏には少人数の演奏もよく効いてくる。コラールにアリアにと活躍するテノールのゲンツが印象に残る。バッハ事典によると、第6曲は「信仰なき理性」すなわち啓蒙思想と戦うアリアということらしい。敵は多く戦いの日々は果てしなく続く。
Elisabeth Hermans (S)
Petra Noskaiová (A)
Christoph Genz (T)
Jan Van der Crabben (B)
1. Coro: Wo Gott der Herr nicht bei uns hält
2. Choral / Recitativo (A): Was Menschenkraft und -witz anfäht
3. Aria (B): Gleichwie die wilden Meereswellen
4. Choral (T): Sie stellen uns wie Ketzern nach
5. Choral / Recitativo (A,B,T): Auf sperren sie den Rachen weit
6. Aria (T): Schweig, schweig nur, taumelnde Vernunft!
7. Coro: Die Feind sind all in deiner Hand
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