Gesualdo: Sacrae Cantiones Liber secundus
Gesualdo: Sacrae Cantiones Liber secundus
Vocalconsort Berlin
(harmonia mundi: HMC902123)
最近のジェズアルド録音の話題は、ほとんどがマドリガーレと言っていい。ラ・ヴェネシアーナ、カシオペア・クィンテット、デリツィエ・ムジケと演奏陣も厚い。確かに彼のメインストリームはマドリガーレだし、一応は教会音楽に分類されるテネブレ・レスポンソリウムも、彼の場合は聖週間を舞台にしたマドリガーレと言われることもある。
そんなマドリガーレ全盛のこの時期に、ヴォーカルコンソート・ベルリンはサクレ・カンツィオーネス第2巻という馴染みのない教会音楽集を持ち出してきた。晩年の6-7声のモテットをまとめたこの曲集は、バス声部や第6声部が欠落していていて、それを指揮者を務めるジェイムズ・ウッドが補っているらしい。おそらくは丁寧な修復が施されたのだろう。ジェズアルドの味は薄い。そう思うのは修復のせいではなく作品の持っている味である。晩年に至ってようやく憑き物が落ちたかと思わせる。
ヴォーカルコンソート・ベルリンの録音の方向性の見えなさ加減が面白い。ディストラー、16世紀フランスの詩篇曲、ヘンデル、バッハのモテットからジェズアルドのマイナーな教会音楽というキャリアには脈絡がない。バロックやドイツ音楽を志向しているかというとそうでもなく、マイナー作品に傾くかと思えばメジャーに振れたりもする。端正な演奏とのギャップがまたいい。
Miserere (Responsoria)
Virgo benedicta
O oriens
O beata Mater
Verba mea
Veni creator spiritus
Ave sanctissima Maria
Sana me Domine
Discedite a me omnes
O anima sanctissima
Ardens est cor meum
Da pacem Domine
Ne derenlinquas me
Franciscus humilis et pauper
Gaudeamus omnes
Adoramus te Christe
O sacrum convivium
Ad te levavi
Assumpta est Maria
Veni sponsa Christi
Illumina nos
Benedictus (Responsoria)
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