Nielsen: Complete Works for a Cappella / Canzone-Koret

2006.11.10 | classic+ |

Nielsen: Complete works for a capella choir

Carl Nielsen: Complete Works for a Cappella Choir
Canzone-Koret, Frans Rasmussen (dir.)
(danacord: DACOCD 368)

無伴奏合唱曲全集という言葉の響きに今でも胸が躍る。誰のでもいいからとりあえず持ってこいって感じ。声のみによる作品がもつハーモニーの美しさと統一されたフォーマットがもたらす安心感、全部聴ける喜び。

カール・ニルセン。何度か目にしたことがあるこの作曲家の名前と、全集であるということが心をとらえた。全38曲で収録時間79分。全体的には小品集の色合いが濃い。青年期の1887年に作曲した「男声合唱のための4つの歌」から彼が亡くなる31年に作曲した「北欧のハープの詩」まで、作曲年代順に並んだ作品を聴いていると、彼の一代記を読んでいるような気になる。初期の作品の素朴さは十分に魅力的だ。晴天の高原で聴いているような開放感がいい。詩篇に材をとった短いテクストをもつ「3つのモテット」は彼にとっては唯一まとまった作品集で、他の作品とはひと味もふた味も違う充実感がある。

カンソーネ合唱団は男声も女声もヴィブラートがすこし気になるけど作品の美しさは損なわない。

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