Russian Treasures
Russian Treasures
Tenebrae
(signum: SIGCD900)
イギリスには、ありとあらゆる地域の音楽を精力的に演奏する合唱団が数多く存在する。あの貪欲さはどこからくるのだろう。最近ではルネサンス音楽に軸足を置いているテネブレも、その雑食性を露わにすることを忘れてはいない。
彼らのロシア・プログラムが、鋭いスナップとともに繰り出されるチキータのように、遅い春の耳に効く。彼らの歌声は、聴き手を本家ロシアの厚みから解放して、あるかもしれないしないかもしれないグローバルでスタンダードな領域に連行しようとする。ここは抗うことなく連行されるに任せたい。
グレチャニノフに始まり、ラフマニノフの徹夜祷を織りまぜながら、チェスノコフ、カリンニコフといったロシア宗教音楽のメジャー路線を走るプログラムは、しかし重度の親ロシアを表明しているわけではない自分のような聴き手にとっては、常にフレッシュだ。この曲は聴いたことがあったはず、よかったはず、でも思い出せない。確認する。この曲は聴いたことがあった。よかった。やっぱりよい。
ケドロフに心を打たれる。われらの父よ。この曲以外ではあまり名前を聞かない。静かでシンプルな祈りの歌。
Grechaninov: Nïne Sílï Nebesnïya
Rachmaninov: All-Night Vigil. Nïne Otpushchayeshi
Golovanov: Heruvimskaya Pesn
Rachmaninov: All-Night Vigil. Priidite, Poklonimsia
Rachmaninov: Liturgy of St. John Chrysostom. Heruvimskaya Pesn
Rachmaninov: Liturgy of St. John Chrysostom. Tebe Poyem
Golovanov: Slava Ottsu
Chesnokov: Svete Tihiy
Chesnokov: Tebe Poyem
Kalinnikov: Svete Tihiy
Rachmaninov: Bogoroditse Devo
Rachmaninov: All-Night Vigil. Blazhen Muzh
Rachmaninov: All-Night Vigil. Otche Nash
Chesnokov: Heruvimskaya Pesn
Golovanov: Otche Nash
Tchaikovsky: The Crown of Roses
Kedrov: Otche Nash
Rachmaninov: All-Night Vigil. Vzbrannoy Voyevode
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