Scattered Rhymes
Scattered Rhymes
Orlando Consort, Estonian Philharmonic Chamber Choir
(harmonia mundi: HMU807469)
オレガンのスキャタード・ライムスには、いつも目を眩まされる。ペトラルカと14世紀の名を知られぬ詩人による2編の詩を、4人のアンサンブルと合唱団が並行して歌い続ける。詩も、旋律も、リズムも。すべてを撒き散らし、音楽は進んで行く。
マショーのノートルダム・ミサの影響を受けて作曲されたって? 想像がつかない。コンチェルト・グロッソを思わせるシャーシから繰り出される奔放な音楽の底に、洗練された武骨なミサのエッセンスが流れているのだろうか? むしろ、肥大化したモテトゥスではないのか? 自立した個の絶えざる応酬。
16分間の喧騒が鎮まらぬうちにミサが始まる。そうだ。オルランド・コンソートのノートルダム・ミサの録音を探していて、このアルバムに行き着いた。オレガンの影に巧妙に隠蔽されたミサを救い出す。
彼らは、意外にも引き摺るような強い線を描く。野趣を含みつつ、イングランドの光沢を添えることを忘れない。ギラギラとした音が耳を衝く。ハーモニーの破綻を導きかねないチューニング、そして、オレガンのコンテンポラリーなサウンドとの強烈なコントラスト。救い出すつもりが弾かれていた。
Tarik O’Regan: Scattered Rhymes
Guillaume de Machaut: Messe de Nostre Dame
Guillaume Dufay: Ave Regina celorum
Gavin Bryars: Super flumina
Guillaume de Machaut: Douce dame jolie
Tarik O’Regan: Virelai: Douce dame jolie
tag: cf | The Orlando Consort
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