Gott ist mein König BWV71

2014.02.09 | baroque |

Bach Cantatas 3 – Tewkesbury/Mühlhausen
The Monteverdi Choir / English Baroque Soloists
(Soli Deo Gloria 141)

公現後第5主日。バッハのカンタータ・コレクションでは、この主日は空白地帯になっているので、この際教会暦とは関係ないカンタータを聴いてみる。カンタータ第71番「神はいにしえよりわが王なり」は、ミュールハウゼン市参事会員交代式という特定の行事のためのカンタータで、1708年2月に初演された。

ミュールハウゼン時代の作品だから、ごく初期カンタータということになる。バッハ事典は「ブクステフーデら北ドイツの先人の音楽を想起させるところが少なくない」と解説する。実際に想起するのはハードルが高い話だけど、ライプツィヒのカンタータとは肌触りが異なる。ような気がする。

市参事会員とはミュールハウゼン市政を担う地元の有力者ということらしい。その人たちが交代することになり、神の御前で式典を行う。歌詞のほとんどは詩篇をはじめとして旧約・新約両聖書から採られている。第1曲と第7曲の合唱では、コンチェルティストが歌うセクションとトゥッティのセクションが、テンポと調性を変化させながら細かく入れ替わる。コンチェルタントがオルガンを伴ってフーガを歌う第3曲は、ルネサンス・ポリフォニーを思わせる。第4曲のアリオーソは、ダ・カーポ形式にのせてバスが宇宙の摂理を歌う。こうしたいくつかの象徴によって、交代の儀式が整然と繰り返されていくイメージが生まれる。第7曲の最後はトゥッティではなくコンチェルティストが歌い、歌が終わると楽器が一音ずつ発して終わる。盛大なエンディングとは異なる唐突で不思議なこの余韻は一体何だろうか。

Joanne Lunn (S)
William Towers (C-T)
Kobie van Rensburg (T)
Peter Harvey (B)

1. Coro: Gott ist mein König
2. Aria (T,S) / Corale: Ich bin nun achtzig Jahr
3. Coro: Dein Alter sei wie deine Jugend
4. Arioso (B): Tag und Nacht ist dein. Du machest
5. Aria (A): Durch mächtige Kraft
6. Coro: Du wollest dem Feinde nicht geben die Seele deiner Turteltauben
7. Coro: Das neue Regiment

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