Palestrina: Missa Ad coenam Agni

2013.10.01 | renaissance |

Missa Ad Coenam Agni Motets

Palestrina: Missa Ad coenam Agni
The Brabant Ensemble
(hyperion: CDA67978)

ブラバント・アンサンブルにとって、パレストリーナはルネサンス音楽のひとつの終着点であるとともに彼らの音楽的な方向性の終着点でもある。

クレメンス、クレキヨン、ムリュ、フィノという人たちの音楽はパレストリーナに流れ込んでいるはず。様式面ではギャップがあるかもしれないけど、もっと直接的な、感覚に訴える部分で、彼らの影をパレストリーナのこのプログラムに見ようとする。彼にとっては最初期に当たる1554年出版のミサ曲集第1巻に収録されているミサ・アド・チェナム・アニに、初期の、まだ彼がパレストリーナになりきっていない時期の荒削りの魅力といったものを見いだせないだろうか、そんなことを思いながらミサを聴き始めて、彼が描くカーブの、目の覚めるようなGに小さな達成感を得る。線が生きている。

元ネタをラストに回すのは、最近のプログラミングの傾向だろうか。ミサの清々しさが、最後の最後に手元に還ってくる喜び。

Palestrina:
Missa Ad coenam Agni
Surrexit pastor bonus a 8
Regina coeli
Haec dies à 6
Alleluia. Tulerunt Dominum
Terra tremuit
Angelus Domini descendit de caelo a 5
Deus, Deus meus
Lauda anima mea
Benedicite gentes
Ad coenam Agni providi

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