L’Album de Marguerite d’Autriche
Ensemble la Sestina
(Cascavelle: réf.65477)
ネーデルランド総督マルグリット・ドートリッシュの楽譜集。この人は皇帝マクシミリアン1世の娘にして皇帝カール5世の叔母でもある。フランスへの誘拐・王との結婚・離婚（結婚無効）、兄妹によるスペインとの二重結婚、スペイン王太子である夫の死、サヴォイア公との結婚と死というなかなか波乱に満ちた人生をおくったらしい。兄の子カール5世を養育し皇帝即位に尽力したあたりがクライマックスか。
もともとがブルゴーニュ出身ということで、いかにも音楽に対する造詣が深そうだ。楽譜集を遺していたのも即座に納得できる。楽譜はベルギー王立図書館に保存されているとのこと。内容はジョスカンとラ･リューのシャンソンが多いらしい。このCDでもプログラムのほとんどをシャンソンで占めている。
アンサンブル･ラ･セスティーナは、ビクトリアのモテット集も録音したスイスの混声グループ。ここでは総勢8人＋リュート1人。ソプラノが周囲を制圧しない非イギリス的なバランスのよさはここでも健在で、ややツヤを抑えドライ気味に捉えられている声には雰囲気がある。耳休めのリュートも心地よい。
atr. Pierre de la Rue: Ave sanctissima Maria
Anon: Quant il advient
Josquin Desprez: Plaine de duel
Pierre de la Rue: Pourquoy non
Josquin Desprez: Plus nulz regretz
Agricola / Capirola: Si dedero (luth)
Pierre de la Rue: Doleo super te
atr. Josquin Desprez: Proch dolor / Pie Jhesu
Josquin Desprez / Spinacino: In pace in idipsum (luth)
Anon: Je ne dis mot
Anon: Quant il survient
Pierre de la Rue: Pour ung jamais
Ghizeghem / Capirola: Alles, regretz (luth)
Pierre de la Rue: Autant en emporte le vent
Anon: Triste suis
Ensemble La Sestina:
Isaline Dupraz, Francesca Puddu (S)
Simon Jordan, Thierry Lattion (A)
Raphaël Favre, Gabriel de Week (T)
Bernhard Lang, Sylvain Nicolet (B)
Dolores Costoyas (luth)
Adriano Giardina (dir.)