Nicolas Gombert: Magnificat I
Oxford Camerata
(Naxos: 8.557732)
ゴンベールの特徴、果てしない通模倣に敬意を表して、彼を「長いものには巻かれろ楽派」の創始者に認定している。彼の音楽には「ひるんだら負け」の雰囲気が漂う。一度見失ったら、リカバリーするポイントは大海原の向こうなわけで。
タリス・スコラーズを追走するオックスフォード･カメラータ。やはりゴンベールを録音した。マニフィカートをプログラムに滑り込ませている。これもタリス・スコラーズが録音済み。
でも、彼らのゴンベール録音は、いつもの彼らとちょっと違う。一皮むけた感じでバリバリと歌いまくっている。ひるみはない。ひるみなく全曲を歌い切られると、聴いてる方も疲労困憊。でも、こんな疲労なら喜んで引き受けよう。特にジョスカンの死を悼む挽歌は他を圧倒する出来。録音も技術が向上したのか？妙に深みが出ている。ナイス。