Le Jardin des Delices – Manuscrit de Bayeux
Obsidienne
(Calliope: CAL9337)
エマニュエル・ボナルドがディレクターを務めるフランスの声楽・器楽グループ、オブシディエンヌは中世から初期ルネサンスのレパートリーにも大きく踏み込んでいる。このCDは初期ルネサンスが中心のシャンソン集。メインのバイユー写本をデュファイとジョスカンの作品で挟みこむプログラムはジャケットにもなっているヒエロニムス・ボッシュの「快楽の園」の影響によるものらしい。
ジョスカンの第6旋法のミサ・ロム・アルメでは、作品のスケールについていけなかった。このCDでもオケゲムの死を悼む挽歌などでやや声がきつくなるけど、シャンソンなどの小品を野趣を織り交ぜながら繊細に作り込むという、矛盾するようなことをやってのける。Opus111時代よりも声がドライになったけど、リラやプサルテリーの薄い響きによく合っている。