Thomas Tallis: Lamentations of Jeremiah
The Tallis Scholars
(Gimell: CDGIM025)
90年代初頭にリリースされたタリス・スコラーズの3枚目のタリスは、エレミアの哀歌をメインにしたプログラム。エレミアの哀歌はザ･シックスティーンの先行盤があるので印象が薄いけど、慎ましい表現がいい。後半は5声のモテットが並ぶ。最初の5曲はMAATB、続く3曲はTrMATBの構成。上声は8曲ともソプラノだけど、テサ・ボナーが参加する4曲はそれまでの穏やかな雰囲気から一変して輝かしい。彼女はタリス・スコラーズ・サウンドに大きな影響を与える歌い手のひとり。
サルヴェ・インテメラータは演奏に17分を要する大曲。フィリップスはこの中世イギリスのスタイルを残しているという彼の初期の作品をこのCDのメインと考えているらしい。でも、ボナーを中心とするタリス・スコラーズ・サウンドの一素材を超えるものになっていない。それだけ彼らの芸風がしっかりしているということかもしれないけど、作品に集中するにはつらい。
Lamentations of Jeremiah I
Lamentations of Jeremiah II
Absterge Domine
Derelinquat impius
Mihi autem nimis
O sacrum convivium
In ieiunio et fletu
O salutaris hostia
In manus tuas
O nata lux
Salve intemerata
The Tallis Scholars:
Deborah Roberts, Tessa Bonner, Sally Dunkley, Caroline Trevor (S)
Robert Harre-Jones, Nigel Short, Adrian Hill (A)
Richard Edgar-Wilson, Charles Daniels, David Lowe (T)
Donald Greig, Francis Steele (B)
Peter Phillips (dir.)