Josquin Desprez: Missa di dadi, Missa Faisant regretz
The Medieval Ensemble of London
(L’Oiseau-Lyre: 411 937-2)
ロンドン中世アンサンブルは、デュファイとオケゲムの世俗音楽全集というモニュメンタルな録音を残しているにもかかわらず、過渡的なイメージが強い。彼らの全盛期はPCAの活動が一段落してヒリヤードが結成される直前の時期。世俗音楽の全集化という取り組みは明確なコンセプトによる魅力的なプログラミングへとスウィング･バックして現在に至った。資料的価値の側面が強くなった彼らの大部な全集群を手に取ることは極端に少ない。しかし、ジョスカンのミサ2曲を収録したこのCDは資料的価値に留まらない。
当時のイギリスの名だたるグループに参加していたメンバーがこのグループに参加している。特にPCAの歴代カウンター･テノール中ベストの3人が揃う。PCAやヒリヤードであまり聴けない軽みと風通しのよさがあり、声質のバラつきが少ない。いまどきの男声グループにも通じる魅力だ。
Missa di dadi
Missa Faisant regretz
The Medieval Ensemble of London:
Charles Brett, Michael Chance, Timothy Penrose (C-T)
Joseph Cornwell, Rogers Covey-Crump, Paul Elliot, Andrew King (T)
Michael George, Paul Hillier (B)
Peter Davies, Timothy Davies (dir.)