Clemens non Papa: Missa Pastores quidnam vidistis
The Tallis Scholars
(Gimell: CDGIM013)
パロディー・ミサは元ネタとミサのイメージの統一感がある演奏がいい。スタイルのしっかりしたグループで聴くのがわかりやすいと思う。タリス・スコラーズはパロディー･ミサを聴かせる能力がとても高い。種明かしプログラムが多く、ソプラノの透明感を前面に出すスタイル。強くクリアな演奏が魅力だ。ただし、彼らの演奏でのソプラノと他パートとのギャップは、ポリフォニーのバランスを崩しかねない。イギリスの密集系ポリフォニーではOKでも、フランドルの風通しのよいポリフォニーではダメということもある。このCDのミサでも、ポリフォニーが強くクリアなサウンドの犠牲になっている。ミサよりもATTBで歌われる Tribulationes civitatum やソプラノの美しさが嫌味にならないPater peccavi がいい。これらのモテットでのクレメンス・ノン・パパの優しい音遣いピッタリ。
Clemens: Pastores quidnam vidistis
Clemens: Missa Pastores quidnam vidistis
Clemens: Tribulationes civitatum
Clemens: Pater peccavi
Clemens: Ego flos campi
The Tallis Scholars:
Deborah Roberts, Tessa Bonner, Sally Dunkley, Ruth Holton (S)
Caroline Trevor, Robert Harre-Jones (A)
Charles Daniels, Nicolas Robertson (T)
Donald Greig, Francis Steele (B)
Peter Phillips (dir.)