William Byrd: Mass for 5 voices with Propers
The Sixteen
(Virgin: VC 7 90802-2)
1枚のCDに3つ並べられることが多いバードのミサ。ザ･シックスティーンはバラした。このCDは5声のミサに固有文を合わせるプログラム。他に4声のミサの録音がある。3声はない。5声のミサは、このグループ持ち味、フレーズの立ち上がりの早さとか、ベタ塗りのような厚い響きがしっかり出ている。各パート2、3人でつくるサウンドとしては破格の力強さ。イギリスのポリフォニーによく合っていると思う。タヴァナーのミサでも同じような歌いぶりで魅力ある音楽をつくっていた。
間に演奏されるミサ固有文は、2巻のグラドゥアリアのうち、第1巻のもの。これらのグラドゥアリアが占める位置はバードの作品群の中でも決して軽くない。間に挿むことでフレッシュな音楽になった。ベタ塗りにならない抑えた表現は、歌い手の意識というよりは曲のせいか。全曲を通してメリハリを楽しんでもミサだけ聴いてもいい。他のCDと比較しても十分に個性的だ。
Diliges Dominum
Ad Dominum cum tribularer
Mass for 5 voices
Introitus. Gaudeamus omnes / Kyrie / Gloria /
Graduale. Timete Dominum / Credo /
Offertorium. Iustorum animae / Sanctus /
Benedictus / Agnus Dei / Communio. Beati mundo corde
The Sixteen:
Ruth Dean, Patricia Forbes, Sarah Leonard, Mary Seers (S)
Philip Newton, Christopher Royall, Ashley Stafford, Richard Stevens (A)
Paul Agnew, Peter Burrows, Neil MacKenzie, Nicolas Robertson (T)
Christopher Hodges, Mark Peterson, Christopher Purves, Jeremy White (B)
Harry Christophers (dir.)