William Byrd: Masses for 3, 4 & 5 voices, Ave verum
The Hilliard Ensemble
(EMI REFLEXE: CDM 7 63441 2)
バードの3つのミサ。声質の統一感のあるグループで聴きたい。縦が美しく響くひととき。
プログラムによっては女声が参加するヒリヤード。このCDでは5声のミサにジリアン・フィッシャーが加わる。ヒリヤードとつきあうソプラノは大変だ。ジェイムズに合わせるのは至難。彼の声の存在感があり過ぎて、聴いているうちに気の毒に思う。フィッシャーは健闘したが、やっぱり気の毒だった。アンサンブルとしての一体感が薄く、具合が悪い。
男声だけで演奏する3声のミサと4声のミサはいずれも一体感がある。3声のミサは3人では支えきれず、間延びするのが残念。個々の歌い手も、例えばジェイムズは低音の箇所で歌い切れず、ヒリアーもヨタる。一番安定しているのが4声のミサ。冒頭に置かれる理由がなんとなくわかる。
ヒリヤード好きならとにかく聴くべきだ。間延びするとしても、ヒリヤードのゆったりとした流れは魅力的なはず。例えば、3声のミサのサンクトゥスやアニュス・デイなどには、彼らならではとも言うべき、美しい一瞬がある。
Mass for four voices
Mass for three voices
Mass for five voices
Ave verum corpus
The Hilliard Ensemble:
Gillian Fisher (S)
David James (C-T)
Paul Elliott, Leigh Nixon (T)
Paul Hillier (Br)
Michael George (B)
Paul Hillier (dir.)