Music of Tomás Luis de Victoria
Saint Clement’s Choir, Philadelphia
(Dorian: DIS-80146)
ビクトリアのミサは2曲のレクィエムを含めて20曲くらい。レクィエムや聖週間の聖務日課のような有名曲の録音が多く、ミサは大聖堂・コレッジ系合唱団が録音する以外はあまりなかったけど、90年代以降は少人数グループのミサ録音も増えている。
当盤は、中後期のミサ2曲を種明かししながら聴かせる趣向のビクトリア作品集。三重合唱のミサ・レタトゥス・スムがメイン。三重合唱と言われても、残念ながら録音ではちょっとわからない。
聖クレメント合唱団はフィラデルフィアの聖クレメント教会を拠点とする混声合唱団。教会での活動が中心のようだ。合唱団とはいえ、この録音では総勢13名だから、声楽アンサンブルの範疇に収まる編成とみていい。各パート1-3名で歌っているのだろうか。ビクトリアに強い宗教的情熱のイメージを求める聴き手にとっては、物足りない演奏かもしれないけど、きれいに歌えるというのもひとつの芸だ。
ソプラノはやや細いが十分に透明感があり、テノールは柔らかく、ふわりとしたきれいな響き。その分弱音が不明瞭となり、個々の声部の運動性やはやや奥まった感がある。ドリアンの録音のせいか。
Ave Maria (for Double Choir)
Vidi Aquam
Missa ‘Laetatus sum’ (for Triple Choir)
Laetatus sum
Missa ‘Ascendens Christus in antum’
Ascendens Christus in antum
Saint Clement’s Choir, Philadelphia:
Laura Heimes, Kristin Kopple, Carol Roberts (S)
Johanna Swartzentruber, Melinda Whiting, Rebecca Show (A)
Brian Ramsey, Mark Rimple, Michael Magiera, Nicholas Miller (T)
Les Anders, Tom Rudolph, Eric Swartzentruber (B)
Peter Richard Conte (dir.)