O gente brunette
Odhecaton
(Ramée: RAM0902)
ルネサンス期ピカルディの歌手兼作曲家。サブタイトルがなかったらテーマは謎だったかも。
ジョスカンと同時期に活躍したコンペールとムトンというメジャーな2人と、ジョスカンの後の世代に当たるソイエ、デ・マルレ、ブルイエというほとんどなじみのない読み方さえ怪しいマイナーな3人のミサとモテットによるプログラム。この5人に共通するキーワードが「ピカルディ」だなんて、言われてみないとわからない。
メインはタイトルにあるメジャーな人とは別人のトマス・キャンピオンのシャンソンを元ネタにしたデ・マルレのパロディ・ミサ。もっとも20分弱のこのミサはメインになり切れてないところがあって、後半にもうひとヤマある。これまでにもいくつものグループが録音しているコンペールのモテットOmnium bonorum plena。前半にデュファイの名が、後半にはデュファイに続く世代のビュノワ、ティンクトーリス、オケゲム、ジョスカンらの名が唱えられる。音楽家の名前を挙げつらう作品としてはジョスカンのオケゲムの死を悼む挽歌が有名だが、こうした作品は音楽家モテットと呼ばれているらしい。ちなみにこのモテットを「あらゆる善きものに充ちたる」という邦題で紹介しているWikipediaにはこのモテットでJosquinと唱えられているという記述があるが、モテットのテクストにJosquinは見当たらない。Des Presがあるのみ。
オデカトンは個人的には5本の指に入る男声グループ。録音はあまり多くないけどたまに出るCDはどれも自分の好み。なによりジョスカン周辺から離れずにいてくれるのが嬉しい。
Mathieu Sohier: Salve Regina
Mathieu Sohier: Ave Regina caelorum
Thomas Champion dit Mithou: O gente brunette
Nicolas de Marle: Missa O gente brunette
Antoine Bruhier: Ecce panis angelorum
Jean Mouton: Nesciens mater
Loyset Compère: Omnium bonorum plena
Loyset Compère: Virgo caelesti
Loyset Compère: O genitrix gloriosa
Jean Mouton: Ave Maria … Virgo serena
Odhecaton:
Alessandro Carmignani, Raoul Le Chenadec, Gianluigi Ghiringhelli,
Renzon Bez (C-T)
Fabio Furnari, Paolo Fanciullacci, Vincenzo Di Donato (T)
Marco Scavazza (Br)
Giovanni Dagnino, Enrico Bava, Marcello Vargetto (B)